3月も終りに近い平日、久しぶりに明治神宮外苑を訪問したくなり、出かけて来ました。
公園訪問と言いながら、やっぱ公園じゃないじゃん
公園訪問と銘打ちながら、庭園や墓園などばかり、いわゆる一般的な公園には出向いていない、このサイトですが、今回は、都市公園ですら無いオープンスペース、明治神宮外苑です。
明治神宮外苑は現在、宗教法人明治神宮が、独自の事業収入により諸施設の管理運営を行っているとのことです。
ただ、戦前・戦中は国が直接管理を行っており、建設も全国国民からの寄付金と献木、青年団による勤労奉仕により行ったとありますし(明治神宮内苑は国費で建設)、造園も現在では教科書にのっているような国のなだたる技術者が参画しておりますので、ただの宗教施設とも言えない、限りなく公園に近い歴史に残る造園施設ともいえます。
外苑といったらイチョウ並木ですが、葉っぱがないと
わたしは明治神宮外苑といったら、イチョウ並木が浮かんできます。
ということで、美しい思い出の残るイチョウ並木ですが、葉っぱのない時期のイチョウって、ちょっと間抜けですね。
ケヤキとかだと葉が落ちても、それなりに樹形がきれいだけど。
大きいだけに、スケールがちょっと、と、感じさせるのかな。
とか、勝手なことを思っていたら、
イチョウは折下博士が新宿御苑から採取し育てた100年をこす大樹
明治神宮が配布しているイチョウ並木のリーフレットを読んでいたら、このイチョウは、折下吉延博士が新宿御苑に勤めているときに、採取した銀杏を育てて植えたものと事。
知りませんでした。
平成18年1月記のリーフレットで銀杏から実生して98年とありますから、現在は100年を超える大樹です。外苑に植栽されてからも、83年と記載がありますから、11年を足すと並木になってからも94年ですね。すごい!
そう思ってみると、上の写真も何やら有り難みが有る景観のような気がしてきます。
(折下博士は、明治神宮の造園整備の陣頭指揮をとった人物の一人で、造園界では「公園緑地折下功労賞」という北村賞と並び、ひじょうに名誉有る賞の名前としても有名です。)
東京都公園協会の発行しているパンフレットには「300mの直線道路に146本のイチョウが9m間隔、4列に植えられている。絵画にも造詣の深かった博士は遠近法を取り入れ、絵画館に向かって少しずつ樹高を低した」とあります。
9m間隔ですか。
街路樹の高木植栽は「道路緑化技術基準・同解説」(社団法人 日本道路協会、昭和 63 年 12 月)だと6~10m間隔、「道路緑化ハンドブック」(山海堂、平成 11 年3月)とかだと8m(必要に応じて間隔を縮小)とあります。
樹種もさることながら、植栽間隔って悩むんですよね。管理者としてはできるだけ少なくしたいという要望ありますし。
初めての絵画館です
実は、わたしが通った高校が新宿にあり、部活のランニングでよく外苑のイチョウ並木も走っておりました。
絵画館コースと呼んで、トレーニングのコースでは一番ラクなコースだったのですが、夏合宿も終わり、体力増強とか励まないでいい頃の秋口よく利用してました。
(そう言えば、瀬古選手とかたまに見かけました。 早いんですよね、やっぱ。 走り方にオーラを感じさせると言うか。遠くからでも目立ってましたね。)
ということで、部内では先輩から伝わるまま「絵画館コース」と呼んでいたんですが。そう言えばなんで「外苑コース」じゃなかっただろうかと、思ったのも、今回出かけてみる気になった要因のひとつです。
絵画館を望むコースではあっても、目の前を通るわけじゃないし。
そう言えば絵画館って言っても何を飾ってあるのか、不思議だったので。今回はじめて中にはいってみました。
中はもちろん撮影禁止ですので、ファザードだけ。ファザードのデザインはわたしはあまり好きでないですが(築地本願寺みたい)。
歴史ある建物で、昔の空調やライティングが限られる中、絵画鑑賞用につくられた建物として、一見の価値は有りです。
日本最古のアスファルト舗装
絵画館の前を写真を撮りながら歩いていたら、新宿区が出した解説板が有り、なんでもここのアスファルト舗装は、我が国初の大規模アスファルト舗装であり、日本最古の車道用アスファルトとのこと。1924年5月から1926年1月に施工、1922年に改良を行ったとのこですが。
この写真の部分のアスファルトは昔のままとのこと。なにやらこういうの見てると嬉しくなります。
でも、1924年というと大正13年。命あるイチョウが100年以上で現役であること考えると、アスファルトの歴史って意外と新しいですね。
やはりお弁当はかかせません
ということで、絵画及び絵画館を鑑賞した後、こういう内容だったのかと、それなりに満足した後、やはりお弁当は欠かせません。
出かける前は、お弁当使う所あったかな、と心配していたのですが、静かな緑地帯など、全然心配いらないですね。
お昼時でしたので他にも食事されている方、何人かいらっしゃいました。
素敵なベンチ&テーブルもあります。
いいところですね。静かだし、綺麗に管理されてますし。
わんちゃんの散歩も多くいらっしゃいます。(うちの四足利用特別研究員のマリと違いみんな血統書付きっぽい高級なわんちゃん達でした。)
ということで、お弁当も高校時代を思い出して、のり弁です。
ほか弁とかでは、のり弁、安いのでけっこう利用してましたが、自前では高校以来かな。。
こだわりは、写真ではわかりませんが、海苔とご飯が2段になっているところ。味付けは醤油だけ。海苔は焼き海苔ではなく、三陸産の乾燥海苔を電気コンロで焼いたもの(焼きムラあり)です。
子供向け「にこにこパーク」、盛況でした
電動自転車に子供を載せて、お母さんの一段の向かった先は、「にこにこパーク」。
平日なのに、就学前の子どもたちですごく賑わってます。
あやしまれそうなのであまり写真とか撮れませんでしたが、大人300円、子供100円の有料施設です。
子供二人連れだと500円ですか。毎日となるとけっこうですね。
ホームページをみると、中の施設は、普通の地区公園クラスの公園にある遊具と変わりないものが、、。
安全と安心のためなら、500円ぐらい安い時代なのでしょうか。
ネットでの評判は、いいですね。あれだけ賑わっているのだから当然でしょうか。
ちょっと考えさせられるエリアでした。
自動販売機も気遣いされてます
ところどころに設置されている自動販売機も、ただ置いてあるだけでなく、ゲートを付けて素敵です。
これゲートがなかったら相当無骨な空間になっちゃいますよね。
ゲートの裏には、空き缶入れの回収ボックスも隠されますし。
どうして普通の公園でこういうことが出来ないのか、、不思議です。
健康遊具のコーナー、無茶古そう
運動施設群の間には緑地帯があり、街区公園的な利用がされております。
健康遊具のコーナー、すごく古そう。現在では健康遊具コーナー、公園には無くてはならない施設ですが、けっこうこれ出始めの、初期タイプじゃないでしょうか。
看板には、遊具メーカーではなく、Kawai Steelというロゴが、あまり聞かないメーカーだと思って調べてみたら、鉄鋼業としては大きなところのようですね。現在は遊具とかやってなさそうでした。
しかし、カワイスチールっていうけど、ほとんど木材ですね。。
同じ場所に設置されていた水飲み、現在は使われていないようです。1974年(昭和49年)3月ですか。
交通戦争は「1970年(昭和45年)にピークに達するがこの後減少」とありますが。こういう地道な啓蒙活動もあったんですね。たぶん私のようにひねくれた子供には効果なかったでしょうが。
見ておきたかった新国立競技場建設現場
実は絵画館と並んで、ここも見ておきたかったですが、新国立競技場の建設現場です。
もう少し感じるものがあるかと思ったんですが、ただの大規模土木工事現場でした。
国立競技場、壊される前に来ればよかったです。
壊される前の国立霞ヶ丘競技場は、1958年(昭和33年)完成だそうです。その前身の明治神宮外苑競技場というのが1924年というから、前記のアスファルト舗装と同じ年ですね。
周囲はマンションでしょうか、建設が続きます
2017年4月21日の日本経済新聞の記事よると「アベノミクス景気、戦後3位の52カ月」、世の中、戦後3位の好景気が続いているそうです。ただその後に「実感乏しい回復」との記事タイトルですが。
でも、たしかにたまに東京出てみると、建設現場のクレーンが目立ちます。マンションでしょうか、新国立競技場の近くでも建設が続いてました。
懐かしいです明治神宮の野球場
明治神宮の野球場、懐かしいです。野球だけでなく、社会人になってからは花火とかでも訪れたことが有ります。けっこうかっこいい建物ですね。
そう言えば、近くに亡くなった元上司の出身校である青山高校も見ようと思ってたのですが、通り過ぎてしまいました。
まあ、いいか。
ということで結局、ランニングコースの名前を「外苑コース」でなく「絵画館コース」と呼んでいたのかはわからずじまいでしたが、ひととおり外苑を訪問した後、時間も有るので青山墓地を訪問してみました。