公園訪問:2月の桃源郷にメジロが遊ぶ浜離宮恩賜庭園

 ということで、本日のメインイベント公園、浜離宮恩賜庭園です。
 指定管理者として、(財)東京都公園協会が管理を行っており、六義園でも触れましたが、国指定の特別史跡と特別名勝のダブル指定を受けている日本を代表する大名庭園です。

松の茶屋と高層ビル群

 H25年度の入園者数は590,234人。
 月別の入園者数をみると、2月は1万9千人(H25年度)、年間を通じて最も少ない月です。最も多い月が3月で9万3千人ですか。2月と3月で、随分違うんですね。
 ちなみに、入園者数は六義園のほうが微妙に多くて592,020人、浜離宮は2番め。だけど六義園の方は無料入園者数が多いため、入園料収入では、微妙に浜離宮のほうが多いですね。ほとんど違いませんが。
 利用料金収入は約1億3千万、1番です。億を超えているのは六義園とこの浜離宮だけ、三番目の小石川後楽園は半分の6千万円です。施設利用料は小石川後楽園とか清澄頑張ってるようですが、入園料収入が浜離宮と六義園は飛び抜けてます。
 ということで、いきなりマニアックな数字ではじめましたが。


素朴な疑問なんですが、将軍の別邸も「大名庭園」と呼んで良いのでしょうか

そう言えば、この庭園は徳川将軍家の庭園なので、大名の庭園って呼んでしまってよいのだろうか、という素朴な疑問が。
門を入る前から、堀に囲まれたお城の石垣のような外観と、門前の周囲から威圧される広場の雰囲気から湧いてきました。
 外観の雰囲気は、離宮として使われた歴史もあるでしょうが、他の都立庭園よりもむりろ皇居の外観に近い気がします。
広々としてゆったりとした園内の雰囲気も、客に媚びていないというか、沽券を気にしないで、悠々としている気がしますし。
 まあ、言葉の定義的な問題だけなのですが。

「大名庭園」でよいようですね

 江戸時代の徳川将軍家を大名家と呼んでよいかどうかはわかりませんが(なんか駄目そう、違和感ありますよね)。
 この地はもともと、将軍家の鷹狩の場だったそうですが、甲府宰相の松平綱重の別邸「甲府屋敷」となり、その子家宣が六代将軍となったときに、浜御殿とされたそうです。
 庭園の骨格は六代将軍家宣の時代に出来たそうですが、もとは甲府宰相の大名庭園だったと言えないこともないし、いいようですね。「大名庭園」と呼んでも。代表的な大名庭園としてもよくあげられているようですし。
 何れにせよ日本を代表する庭園です。

いきなり菜の花満開です

 実は朝出る前に朝食を取りながらラジオを聞いていたら、浜離宮庭園で菜の花が満開ですとのアナウンスが偶然流れ、あれ、混むかなと思ったのですが、そこそこの人手で、
 話のとおり、大面積に菜の花満開でした。

 香りもよく、やはり浮かれますね。こういう景色は。
 浮かれているのは、人間だけでなく、蜂は狂喜乱舞でみつを集めてました。みつ取り放題です。

本日のお弁当のこだわりは甘酒だったのですが、、

 菜の花の甘い香りと、築地市場で見せつけられて来たので早速、お弁当を使うことに。
 本日は、山菜弁当です。

 こだわりは早春の庭園で、ほほっこりしようと用意した左手前の甘酒だったのですが、予想に反する暖かさで、少し拍子抜け状態です。
 麹から手作りの甘酒なのですが。少し甘みは弱めなので、食後に楽しむことにしました。
 菜の花の横の芝生広場では、グループが車座で花見状態です。いいですね。

新しい茶屋の内部見学会

 お弁当を食べ終わったら、園内放送で、これから松の茶屋の特別公開があるから興味のある人は、集まれとのこと。
 いそいそと、松の茶屋へ向かいます。途中、工事中で通れないところがあり遠回りに。
 (園内の道標、茶屋が新しく出来たせいも有るのでしょうが、あまり的を得ていない感じがしました。)
 ちょっと迷いながらも、茶屋に付きます。
 浜離宮に最後に来たのは、随分前で松の茶屋は初見学です。
 さすがお金かけてますね。
 内部のふすまも江戸時代の模様が紙屋さんに残っていて「江戸からかみ」、特注だそうです。美しいです。

 (新しいと言っても2010年に建てられたんですね。7年前か。「燕の御茶屋」の方は2015年6月というから最近ですね。こちらはボランティアと一緒でも中にはいれません。現在「鷹の茶屋」が復元中です。)

ボランティア解説って難しいです

 茶屋は普段はもちろん入れません。
 棚や欄間、外の池の景色など楽しんでいたら、ボランティア解説を始めるから、座ってくださいとのこと。
 多分研修を受けたご婦人なのでしょうが、リーフレットを読めば書いてあるような庭園の歴史や特徴など、とうとうと解説しはじめるのには少々閉口しました。
 後半は、茶屋に関わる解説などは楽しめましたが、
 こういう解説ボランティアって難しいですね。
 わかっている人には退屈だし、先に進むためには基本的なことを知らせなくては、いけないってこともわかるし。

茶屋(中島の御茶屋)では振袖姿のおねんさんが

 濱入りの池に立つ中島の御茶屋では振袖姿のお姉さん方が楽しんでいます。
 見てるだけでこちらも楽しめますね。

 よくハロウィンの仮装やゆかた姿では、入園料割引とか民間施設だと有りますが、日本庭園でもやって見たらいいんじゃないでしょうか。
 絶対受けるとおもいます。海外のお客さんとかにも。

大規模庭園ならではの景観です

 御亭山(おちんやま)からの景観、さすが大規模庭園ならではのすばらしさがあります。
 なかなかこの濱入りの池と松、芝生のゆったりとした日本庭園らしい景観は他では楽しめませんよね。

 なぜかこの御亭山、HPの見どころ紹介にも、浜離宮恩賜庭園マネジメントプランにも公園の主な施設として挙げられていません。
 3つの汐入の池の真ん中にあり、茶屋からの室内からの景観を別にすれば、浜離宮らしい景観を楽しむのには一番の場所のような気がしますが。なぜでしょうか。
 利用者の方々は、ひっきりなしに登って、景観を楽しんでいました。

文化財指定は、庭園だけでなく周辺の海も含みます

 何度も触れたように、現在は特別名勝と特別史跡のダブル指定庭園ですが、文化財指定の経緯を見ると、昭和23年名勝及び史跡として指定がされ、その後27年の3月に海面50間、河川10間の周囲が追加指定されています。

 で、同じ年の11月には特別名勝と特別史跡に指定されてます。
 年度が違うとは言え、なんでいっしょに指定されなかったのかとか、気になるところもありますが、庭園だけでなく周辺の海や川も網をかけるってのは、なかなかやりますよね。
 さすがに高層ビルまでは無理だったようですが。

松の管理、法被姿が絵になります

 みどり摘みには少し早いので、いわゆるな抑制型 自然樹形剪定というやつでしょうか。
 普通の都市公園と違い、このへんの植栽管理は、手掛けてますよね。
 ちなみに浜離宮では、同じ松でもエリアにより手をかける公開庭園型管理と都市公園的管理の松に分けて管理を行っているそうです。

 法被姿がかっこいいですが、緑のコーンパイプがちょっと、です。
 仕方ないのかな。
 目立たなくちゃ意味なさないですもんね。

こも巻きが珍しかったのでしょう

 マツのこも巻きが珍しかったでしょうね。
 外国からのお客様が、スマホで写真撮ってました。

 面白かったので、スマホで写真を取っている姿を写真撮ってみました。

庚申堂鴨場の護岸

 護岸のつくり、あまり見ませんよね。州浜とも違うし。
 なかなかきれいです。

菜の花をバックに梅の花、メジロが遊びます

 まだ寒さが続く2月とはいえ、浜離宮恩賜庭園では菜の花と梅が春を感じさせます。
 特にこの日は暖かい一日でしたので。
 梅の花だけもでも、みんな大喜びなのに、
 なんとメジロくんが、梅の花で遊び回りだしました。
 みなさんさん、大喜び。夢中でカメラを構えます。

 メジロくんも、カメラに追い回されてもあまり気にせず、梅を楽しんでいるようでした。
 春ですね。

 ということで、すっかり大名庭園の雄大さの余韻より、
 メジロくんの余韻のまま、ほっこりと芝離宮庭園に向かいます。

投稿者:

主任研究員

当サイト、公園経営研究所の主任研究員です。 千葉大学造園学科で都市公園について学び、公園管理運営士で一級ビオトープ計画管理士、一級造園施工管理技士などの資格を持っています。

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